最終更新日:2019年09月14日

普段、皆さんが仕事で使っているシステムやサービス。
その開発者にスポットが当てられることはよくありますが、運用している側へはなかなか当てられることはありません。
しかし、安定したサービス稼働には、システムの運用監視・保守が必須となります。そしてその安定稼働を担っている一つが、システム運用オペレータになります。
実は、私自身はシステム運用オペレータとして仕事をした経験はありませんが、
経験者がまわりに多く、その重要性の割にあまり取り上げられることがないことに不満を持っている人も多くいます。
この記事ではそんな声を受け、システム運用オペレータの仕事内容、必要なスキル、勤務体系やキャリアなどについて紹介していきます。
Contents
システム運用オペレータの仕事内容とは?

運用監視オペレータの仕事は、その重要性とは裏腹に、「地味」「スキルが身につかない」など、どうしても下に見られがちです。
そのようなイメージのあるシステム運用オペレータですが、実際の仕事内容とはどういったものなのでしょうか。
- 死活監視
- トラフィック監視
- ハードウェア監視
以下、具体的に見ていきましょう。
死活監視とは?
死活監視とは、一定時間ごとにサーバに対しpingを送信し、正常な応答が時間内に返ってくるかを確認することです。
このpingがうまくいかない場合、サーバそのものか、サーバまでのネットワーク経路のどちらかに異常があることになります。
※pingとは、ネットワークコマンドの一つで、機器の疎通を確認する際に使用されるコマンドのことです。
トラフィック監視
トラフィック監視とは、ネットワーク通信の負荷状況を確認することです。
各サーバが正常に稼働していたとしても、通信量が膨大になってしまっていると、結果的にサービスが正常に使用できないということになるためです。
ハードウェア監視
サーバやネットワーク機器の物理的な故障を検知するための監視になります。
システム内に監視用のハードウェアやソフトウェアを置いて、機器の故障を検知します。
また、システム運用オペレータは24時間365日システムの安定稼働を守っています。そのため、基本的にはシフト制で常に機器の稼働を見守っているのです。
システム運用オペレータに必要なスキルとは?

まず一番に求められるのは、コミュニケーションスキルです。
オペレータはもちろん一人ではありません。24時間365日システムの安定稼働を担うため、何チームかに分かれてシフトを組んで勤務することが一般的です。
このような大人数で行われる業務であるからこそ、コミュニケーションスキルは重要となります。
「自分たちが勤務していた時間に起こった出来事の引きつぎ」、「オペレーションを行う際のやり取り」など、伝えるべきとこを分かりやすく、必ず伝える。
このようなコミュニケーションを徹底することで、オペレーションミスを防ぎ、システムの安定稼働を担うことができるのです。
また、最低限のPCスキルは必須となります。
オペレータは決められた時間帯に決められたコマンドを確実に実行することが求められます。そのため、タイピングスキルやサーバの操作に関する知識などは求められます。
ただ、それ以上の専門的なPCスキルについては求められることはほとんどありません。
どのようなコマンドを打つのか、エラーがでた際はどうすれば良いのかについては、基本的にマニュアルに書いてありますし、書いていなくても上長へエスカレーションすればOKです。
システム運用オペレータに必要な資格とは?
ITパスポートや基本情報技術者を持っていれば、PCやサーバに関する基本的な知識があるとみなされるため、採用される可能性が高まるでしょう。
ただ、システム運用オペレータは未経験者でも数多く採用されていますし、行う作業はすべてマニュアル化されていることから、資格を重要視されることはそれほど多くないと言えます。
むしろ資格よりも決められた手順を守れる正確性や、コミュニケーションスキルのほうがよほど重要となります。
また、多くの企業では研修制度も充実しており、何もわからない状態で現場へ放り出されることはありません。
現場でも一定期間はOJTも存在するので、あまり資格については心配する必要はないでしょう。
どんな勤務体系?

システムの運用監視は24時間365日行われます。
したがって、当然のことですが夜勤も存在し、なかなかハードな仕事となっています。
よくある勤務体系としては、3直体制で監視対象ごとに複数チームを組んで監視に当たります。
◎3直体制の例
1直:8:00~16:00
2直:15:00~22:00
3直:21:00~9:00
バッチ処理などは夜間に行われることが多いため、意外と夜勤のほうが忙しいこともあります。
また、夜勤があるためシステム運用オペレータには男性が多くなりがちです。
そのため、チームの仲が良く、まるで男子校のような雰囲気になっていることも多くあります(笑)
どんなキャリアを積めるの?
これはかなり人によります。
よくあるキャリアアップの例としては、オペレータからリーダーや管理者に昇格することです。
現場での監視やコマンドを打ち込む仕事から、要員の配置や管理などの、より責任のある役職につくことになります。
また、このページと同様に、システム運用オペレーターに解説したサイトを見ていると、システム運用オペレーターのキャリアアップの例として「インフラエンジニア」や「システムエンジニア」が紹介されています。
しかし、普段のオペレーション業務のみをこなしていただけでは、正直難しいと言わざるを得ないでしょう。
なぜなら、システム運用オペレータの仕事は基本的にマニュアルに沿って行うものであり、それ以上の知識は普段の業務からはなかなか得ることができないからです。
実際にこのようなキャリアアップができる人というのは、普段から自己学習を行って知識を増やし、資格を取得するなどの行動ができる人です。
自分が行っているオペレーション対象であるシステムに興味を持ち、その成り立ちや構成を自ら進んで学べる人です。
実際に私のまわりでもキャリアアップに成功した人たちはいますが、漏れなくシステムに興味を持ち自己学習できる人たちでした。
まとめ
この記事では、システムの安定稼働を支えている「システム運用オペレータ」について、以下の内容を紹介してきました。
- システム運用オペレータの仕事内容
- システム運用オペレータに必要なスキル
- システム運用オペレータの勤務体系
- システム運用オペレータのキャリア
皆さんが普段利用しているシステムも、裏ではシステム運用オペレータたちが日夜監視を行い安定稼働を支えています。
仕事などでシステムを使用する際は、ときどきでいいので、そのシステムを運用している人たちの存在も思い出していただけると幸いです。